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武田山・火山夜景撮影後記
2009 11/1

待ち望んでいた雨が降りました。あわせて寒気の到来。
待ちに待った夜景撮影のチャンスがついにやってきたのです。夕方前に雨は上がり予想通り空気は澄み渡りました。
都合よく明日は仕事が休みなのでハードなスケジュールを組み、西区と安佐南区を結ぶ畑峠に車を止め
そこから登山をスタートさせました。

夕方6時40分に登山開始。あたりはもう真っ暗なので懐中電灯の明かりを頼りに歩き進みます。
予想以上に草木は生い茂っており雨上がりの雨露が私の着衣をどんどん濡らしていき、まるで服を着たまま入浴した
状態になってしまいましたがそんなことは関係ありません。まだ見ぬ夜景との出会いに胸が膨らみ、頭の中は
美しい夜景があと少しで見れるという期待でいっぱいです。

歩き始めてちょうど一時間で最初の撮影地である丸山展望大岩に到着しました。
予想通りの素晴らしい夜景です。誰もいない場所で黙々と進める作業にも喜びを感じます。
写真としての仕上がりはいまいちでしたがこの状況この場所では仕方のないことなので半分諦めがつきます。

次に目指すは火山八畳岩です。ここから数十分の場所なのでまたひたすらもくもくと頼りない明かりに目を落とし
歩き進みます。
アップダウンを繰り返すのでさすがに少々疲れましたが火山八畳岩から広がる夜景を目にすると
その素晴らしさに疲れも吹っ飛びます。

ここから約10分登ると火山山頂です。ここでも撮影を行い最後に本日のメインイベントである武田山へ向かいます。
あまりの疲労にイノシシが山の中を駆け巡る音さえ気にならなくなりました。

23時30分、やっと武田山山頂に着きました。撮影する前に達成感が体中を駆け巡ります。
ここからの撮影を含めると全部で4か所撮影したのですがやはりというか当然というかこの武田山山頂からの
夜景が群を抜いて素晴らしく感じました。

武田山山頂からの撮影を終えたころには足はガックガクになっており、何度も転びそうになりながら下祇園方面に
下山した時には一時をまわっていました。そこからタクシーを呼んで車を停めてある畑峠まで行き家路に着くのでした。


今回の登山時間は私にとってはかなり長かったので歩いている途中いろんなことを考えました。
若いころは誰もが夢を持つと思います。そしてそれはいつかは叶えようという気持ちに変わります。
しかし大人になると誰もが現実という生活の中に心の中に描いていた夢を押し殺したり、
今の現実に見合った夢を見るようになります。

それがいいとか悪いとかではありません。ただどこまで自分を信じれるか。そしていつか年老いて死を迎える時、
今まで歩いてきた自分の道は間違いではなかったと後悔しない生き方をしたいのです。
だから今出来ることを精一杯やっていきたいと思います。

大切なのは同じような毎日の中に自分の中で挑戦したいものがあるなら、大人ぶらず、あきらめず、
めんどくさがらず、真っ直ぐな気持ちで挑んでいくこと。もちろん楽しみながら。

そんな当たり前のことを少し忘れていたなあと、ふと思ったのです。

しかし私の心のどこかにそういう気持ちがあったから今回の六時間半に及ぶ
夜景撮影の登山も頑張ることが出来たんだと思います。
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